人集うためのお台所|「お家遊び」を全力で楽しむ60代のキッチン
- ほっこりばぁばぁさん(60代女性/主婦)
- 築17年の戸建て住宅(5LDK)/夫婦と次男の3人暮らし(廊下で繋がっている隣の家に妹・甥・母)
- ミカドのシステムキッチン/ペニンシュラI型(約258cm幅)
※2021年12月時点の情報です
ナチュラルボーン前向き主婦|どんなキッチンでも、楽しむだけ!
人はどのような生活観念を持ち暮らしているのか?
その答えはズバリ、生活感が出やすいキッチンにあり!
十人十色な住人さんの「生き方」や「趣味趣向」を、家で一番生活感が出るであろうキッチンからノゾキミさせてもらおう!
という好奇心からスタートした「台所拝見」。今回は、日々の家事を「お家遊び」として全力で楽しむほっこりばぁばぁさんが主人公。
皆さん、家事はお好きですか?「大嫌い!」ってわけじゃ無いけど「やらなくちゃいけないからやっているだけ」と感じているかた、多いのではないでしょうか。
──家事を「お家遊び」として楽しめる秘訣は何でしょうか??
ほっこりばぁばぁさん:秘訣なんてたいそうなものは無いですよ。私はお家の中の仕事、つまりは主婦業が大好きなのです。そして、「やらなければいけない」より「やるなら思いきり楽しむ」をモットーにしています。
例えば揚げ物をすると、少なからずコンロやオイルガードに油は飛びますよね。それを「ありがとうね」と心を込めて洗ってあげる。そうすると、物への感謝と同時に「綺麗にする私も偉いわね!」と自分をねぎらう気持ちも生まれるのです。その瞬間が、私はとーっても楽しいのです。
──「やらなければいけない」より「やるなら思いきり楽しむ」 !とても前向きなかたですね。
ほっこりばぁばぁさん:前向きですか?そうなのかしら?人に左右されない性格だとは思っていたのですが。自分では考えたことも無かったですけど、こうやって伝えてくださると嬉しいですね。主婦業に定年は無いので、一生やりがいあるお仕事。「有給休暇」は自分のタイミングで取っていますよ。
爪の垢を煎じて飲ませてもらっても、こうはなれない自信がある。
これぞナチュラルボーン!
私達ってズボラのままおばあちゃんになりそうやんね。でも、そんな自分が嫌いじゃない。
テーマは「食を通じて楽しめるダイニングキッチン」
最初にこうおっしゃいました。「私にとって、ダイニングを含めた空間がお台所なのです」と。
ほっこりばぁばぁさん:一般的にはLDKの間取りになりますが、TVはあるもののソファーやテーブルは置かず、リビングとしては使っておりません。「食」が中心になるお家を目指し、ダイニングを含めてみんなが楽しめるお台所をテーマにしたからです。
主役とも言えるダイニングテーブルは、17年前にオーダーしたもの。汚れや傷が目立ってきたので、主人とサンダーで削ったりニスを塗ってみたり「お家遊び」している最中です。九州の工房で作って貰ったチェアは全部で8脚。普段は2階に置き、来客人数に合わせて出しています。
私にとって、お友達とのお茶会・お食事会は何よりの楽しみ!外でお茶やランチするのも好きですが、長話出来ないしお値段もそれなりにするでしょう?
だから我が家にお呼びして、思う存分ペチャクチャと長話しているのですよ(笑)簡単なメニューの時は500円、ちょっと特別な日のメニューだと1000円いただいて、デザートは皆で持ち寄り。そうすると気兼ねなく集まれますよね。
合わせられる自分が好き|キッチン設備にこだわりナシ
ほっこりばぁばぁさん:水回りを含めお台所の設備にこだわりはなく、全て工務店の標準仕様です。与えられた環境を自分なりに最大限活かして、大切に使わせていただく。お金はかけないけど、きちんと磨き上げて丁寧に使ってあげたい。
主人と結婚してから、色んなお家に住んできました。1DKの小さなお家からはじまって、新築の3LDK、築15年の4LDK、そして今のお家。住んでいたどの住まいも大好きで、それぞれのお台所に合った使い方をしてきました。そうやって、どんなキッチンでも合わせられる自分が好きなのです。古くても新しくても清潔感は大切なので「すごく生活感のあるモデルハウス」も外せないテーマのひとつです。
でも、唯一システムキッチンの色は選びました。好きな色だからというわけでは無いのですけども。
──明るすぎず暗すぎず、素敵な差し色ですね。このお色に決めた理由はありますか?
ほっこりばぁばぁさん:工務店さんと打ち合わせで色んなサンプルを見たけど、決め手に欠けていました。ふと足元に目をやると、明らかに使われていない埃をかぶったサンプルがあったので聞いたら「それは人気が無いのでやめたほうがいいですよ」っておっしゃるの。「何よそれー!」って思うじゃない?(笑)だからその場で「この色にします」って即答しちゃいました(笑)
楽しい「お家遊び」の一部
- へそ大根
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お友達から採れたて大根をいただいたので、輪切りにしてへそ大根作り。
干した直後はこのかご一面に並んでいたのですが、あっという間にしぼんできました。
私達夫婦も老いて、へそ大根のように小さくなってきたような…。
人間味が凝縮されて、味もあり、そして癖もあり(笑) - お台所用カレンダー
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和のシンプルなカレンダーが見付からなかったので、毎月自分で描いています。
何事もなく無事過ごせるよう願いを込め、今年も12枚書き終えることが出来ました。 - パッチワーク
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草木染めのハギレや着なくなった服を利用し、ミシンと刺し子でパッチワーク。
思うままに繋ぐので、形がいびつになることも。
でも、それはそれでかわいい。
ランチョンマット・テーブルランナー・キッチンマット・ベッドカバー・コースターなど大小問わず、時間を見付けては少しずつ針を進めて楽しんでいます。
どうしてる?気になるキッチンのアレコレ
台所図鑑の読者さんから「見たい!」というリクエストが多い収納と照明についても伺いました。
キッチン収納
食器類は、バランス良くすべての食器を使えるように。
使用頻度が高いものは、腰をかがめなくとも手を伸ばせば簡単に取れるような位置に置いています。
雑多になる箇所は100円均一のケースを使ったりして、何がどこにあるか分かりやすく。
そして、収納のための収納でなく使える収納を目標に。
冷蔵庫も同じような使い方です。
一番上には定期的に使う物を取っ手付きのカゴに入れて、サッと引き出して取れるように。
下の段は作り置きなどのために詰め込み過ぎず、大きなお鍋が2つ入るくらいの余裕は持たせています。
キッチン照明
ごめんなさい、照明も特にこだわりが無くって(笑)
キッチン上は標準装備、ダイニング側はナフコで購入したシンプルなペンダントライトを付けています。
お気に入りキッチンアイテム、教えてください
少し視点を変えて、ほっこりばぁばぁさんの愛用品から実際どのようにキッチンを使っているかノゾキミさせてもらいましょう。
竹で編まれた製品
まずは壁に掛けたザルたち。これらは母から譲り受けました。40年以上使っているものもありますが、今でも現役で頑張ってくれています。職人さんが手間暇かけて作ったくださったのでしょうね。
水切りかごは、近所の雑貨屋さんで購入。食器用として作られたものなので、ちゃんと上げ底になっているところがポイント。洗った食器類はなるべくふきんを使わず、自然乾燥で乾かすようにしています。
最後の背負いかご(しょいかご)は、丹波篠山にあるかご屋さんで購入しました。お大根を1本そのまま入れてもお行儀よく立ってくれますし、重いものでもラクラク持ち帰ることができます。
竹で細やかに編まれたお道具は、プラスチックやステンレスなどに比べると繊細なアイテム。おのずと身のこなしも丁寧になり、気持ちが癒されるのです。ここには写っていないですが小さなザルやカゴも20個ほどあり、おしぼりやおつまみを出す時に重宝しています。
手作りのものって、体に沿うように感じませんか?無機質じゃないからかしら。ふふふ。
備前焼の器
もともと主人が大好きで少しずつ集めていました。全部で50以上はあると思います。主人は和の暮らしが好きなのです。窯元まで買い求めに行くこともありましたよ。
他の食器類は段ボール2箱分も処分したのですが、思い入れが強い備前焼きは手放せませんでした。
お二階にも花器や壺などが飾られていました。なかにはご主人が作られた器も!
本当にお好きなんですねぇ。
約100歳!まだまだ現役のすり鉢
ふとお台所を見ると、どっしり構えるすり鉢が。「これも備前焼ですか?」と聞いたところ、素敵な歴史を教えてくださいました。
いえいえ、備前焼では無いのです。でもかわいいでしょう?これは、90年前に結婚した祖母の嫁入り道具のひとつ。私の幼少期に「ごまをするから、動かないようにね」と、祖母にこれを持たされた風景をはっきりと覚えています。
祖母は亡くなり私は歳を取りましたが、この子も私もまだまだ現役!引き続き大切に使わせていただきますよ。
アルマイト加工製品
ステンレスやホーローに比べて圧倒的に軽く、扱いやすいです。なによりも、ほら。昔からある物って、そこにあるだけでとってもかわいいでしょう?
持っているのは、お茶を入れる小さなやかん・水切り用のボウル・おたま の3つ。お鍋も欲しいのですが、わが家はIHヒーターなので使えず。とっても残念です。
ほっこりばぁばぁさんの台所拝見まとめ
人はどのような生活観念を持ち暮らしているのか?
その答えはズバリ、生活感が出やすいキッチンにあり!
十人十色な住人さんの「生き方」や「趣味趣向」を、家で一番生活感が出るであろうキッチンからノゾキミさせてもらおう!
というキャッチコピー。手前味噌ですが、自分でもなかなか気に入っています。そして「まさにその通り」と実感したインタビューになりました。
ほっこりばぁばぁさん:「努力する」って、何事にも大切だと思います。でも日々生活していると、努力もへったくれも無く「なんとかするしかない」場面ってたくさん出て来ますよね。私は「なんとかするしかない」ならプラスに考えて少しでも楽しみたい。楽しむために誰かや物の助けを借りたって良いと思います。
それを「楽しむための努力」と考えれば、気持ちがラクになるかしら?
ほっこりばぁばぁさんが定期的に更新されているインスタには、日々の「お家遊び」をはじめ、89歳のお母さまに作った夕飯がほぼ毎日アップされています。
ほっこり日常が気になるかたは是非チェックしてくださいね。
ほっこりばぁばぁさん、ありがとうございました!
ABOUT:ほっこりばぁばぁ
日々の生活を、ほっこりと。
毎日の家事を「お家遊び」と名付け、お家ご飯やお友達とのお茶会を大切に。
無駄を減らし節約しながら楽しんでおります。
手作りした物・毎日活用している物をInstagramに投稿いたしております。
photo by 台所図鑑・ほっこりばぁばぁ