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2000年前後のお話です。

高級メゾン・Dのクリエイティブディレクター（当時）だったGの世界観に惚れ込んだ三田少女は、プレタが見れる大きめの店舗へ行くことを楽しみにしていました。

しかし高校生だった三田少女は、アルバイトで貯めたお金で財布や小物を買うのが精いっぱい。
そのくせ、Gの素晴らしさを何分も語るような世間知らずのイタい客でした。
そんな小娘を「Gを愛してくださってありがとうございます」と、いつも笑顔で話を聞いてくれた店員のMさん。

ある日その店員さんの名前で、顧客向けSSコレクションのインビテーションが届いたのです。

そしてショー当日。おのぼりさん状態の三田少女が会場に入ると……テレビや雑誌でしか見たことがなかった世界が、目の前に広がっているではありませんか！

はじめて見る、それもハイブランドのショー。大好きなGが手掛けた作品のショー！

感動で震えるという経験は、これがはじめてだったかもしれません。見たことがないくらいの光量で照明が光り、振動で揺れるほどの音楽が鳴り、とてつもないパワーではじまったあの瞬間の光景を、私は一生忘れることができないでしょう。

何十・何百万という単位でオーダーにチェックを入れる顧客と違い、三田少女はただのオタクな小娘。
そんな私を招待してくださったMさんの心意気たるや。
「大人ってカッコいい」と思ったのは、このときがはじめてだったように思います。

以上、ショーに招待されたよ！ という自慢でした。Mさんお元気かなぁ。