70代ミニマリスト主婦|団地キッチンを断捨離してシンプルに暮らす

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築40年 東京 ヴィンテージマンションの台所
70代ミニマリスト主婦|団地キッチンを断捨離してシンプルに暮らす
  • 誰の台所?:ハルミックスさん(70代主婦/ミニマリストシンプリスト
  • 間取り:ダイニングキッチン(全体で約8畳)
  • 設備:サンウェーブのセクショナルキッチン180センチ幅の公団型キッチン/壁付けI型
  • お家と住人:築50年以上の公団(1DK)/ひとり暮らし
この記事を書いたのは:大木奈ハル子
大木奈ハル子

ミニマリストでコラムニストで整理収納アドバイザーの40代主婦。夫と猫と犬(聴導犬の候補犬)と1DKの激狭賃貸マンションで暮らしています。

連載:Yahoo! クリエイターズ・ガジェット通信・東洋経済オンラインほか

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70代主婦の終活|使わないものを潔く断捨離した団地キッチン

断捨離 シンプルに暮らす キッチン 台所 50代 60代 70代

築50年以上の公団(UR)で暮らすハルミックスさんは、70代前半の1人暮らし主婦です。
約10年前にご主人を亡くし、1人娘は結婚して遠方に住んでいます。
親兄弟も既に他界した為、親戚付き合いなどもほとんど無く、正真正銘の1人暮らしの独居老人です。

実はこの女性、「台所図鑑」の管理人である大木奈ハル子の母なのです。
母は元々物欲がある人ではなかったものの、それなりにあれこれ所有していました。

そんな母がシンプルライフに目覚めたきっかけは、2017年。
私がミニマリストになり部屋の写真を見せたところ、「私もそういう暮らしがしたい」と言い出しまして。

大木奈ハル子

築年数の古い団地に居住している為、ご近所さんに80代以上の高齢者が多く、部屋を覗く機会が何度かあったけれど、台所がモノだらけの人がほとんどで、こうなってはいけないと以前から思っていたらしいのです。

帰省時に断捨離を手伝った事がきっかけに、そこから1人でさらに断捨離を推し進め、今では私以上のミニマリストに変貌し、スッキリとしたキッチンでシンプルライフを楽しんでいます。

終活キッチンまずはガスコンロをIHに交換|もの忘れと見えづらいを解決する台所の救世主

70代のシンプルライフという事で、見た目はもちろん火事のリスクから断捨離を始めました。

ハルミックスさんはもともと視力が悪かったのですが、60代頃から老眼もすすみさらに見えづらくなってきました。
また、70代に入ったあたりから何度か火の消し忘れでヒヤリとしたこともあり、断捨離を機にガス火を使うのは危ないと判断。ガスコンロを手放しアイリスオーヤマのIHクッキングヒーター(100Vタイプ)に買い替えました。

アイリスオーヤマのIH2口コンロは2種類あり、200Vタイプは設置工事が必要ですが、100Vタイプなら団地の備え付けのキッチンに工事無しで設置出来ます。
(ただし火力は弱めなので、がっつり自炊する人には向かないようです)

家族と暮らしていた頃と違い、1人暮らしを始めてからはしっかりした料理をする事は滅多に無く、軽い自炊がメインになり、調理はうどんと味噌汁ぐらい。
あとはご飯を炊いて、お惣菜を買ったり、冷凍食品やレトルト食品をレンチンしたりと、台所の家事を簡略化しているので、IHクッキングヒーターの火力が弱いことは気にならないそうです。

大木奈ハル子

失火の心配が無くなり、本人はもちろん家族も安心なので、高齢者の1人暮らしのIHコンロへの交換はオススメです。

三田みどり

「凝った料理をつくらない!」と割り切ることで、家事をシンプル化できるのもメリットだね。

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凹凸のないフラットなデザインで掃除も簡単になりました。

\工事いらずの100Vタイプ/

\火力も強く種類も豊富/

スノコ棚に置きすぎない事がシンプルキッチンのコツ|コーヒーグッズだけをオープン収納

ハルミックスさんはコーヒーと音楽が大好き。
ミニマリストになってからはスッキリ片付いた部屋で、CDを聴きながらコーヒーを飲むのが至福の時間だそう。

インスタントやコーヒーメーカーを使わず1杯ずつお湯を沸かしてドリップするこだわり派で、毎日5杯以上飲むヘビーコーヒードリンカーでもあります。

なので、使用頻度が高いコーヒー関連グッズだけはオープン収納。
スノコ棚にはコーヒーをドリップするためのグッズだけを並べています。

断捨離 シンプルに暮らす キッチン 台所 50代 60代 70代
  • (左から)骨董品の煙草盆には、コーヒーフィルターやミルク、ブランデーなどコーヒー関連の細々したアイテムを収納。
  • コーヒー豆は大量消費するので大缶に保存。焙煎済のコーヒー豆を買って詰め替えています。
  • ミトン代わりや台拭きなどいくつもの役割を兼ねる白タオル。
  • シンプルなドリッパー。透明のものは着色で劣化すると見た目が悪いので黒を使用。
  • IHコンロにかける際に底面積の小さなケトルよりも沸騰が早いので小鍋を愛用。
大木奈ハル子

スノコ棚は置きやすくて取り出しやすいので、ついつい一時置き場にしてしまいモノだらけになりがちだけど、逆にここをスッキリさせればキッチン全体がシンプルに見えますよ。

食器はセットで持たない|ミニマリストは自分のモノだけ所有する

ハルミックスさんは、食器棚も断捨離しました。
その代わりにキッチンの引き出し収納を食器棚として使用しています。

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引き出しを食器棚代わりに。近所の大型スーパーで売っている北欧柄のおしゃれなお皿(オーランドシリーズ)を愛用。

\手頃な価格でサイズが豊富の人気シリーズ/

元々食器が好きだったハルミックスさん。
以前はカレー皿だけでも数種類、マメ皿だけでも何十枚、滅多に使わない高級食器など、全て5枚セットでコレクションしていたのですが、まずは全部1枚だけ残して断捨離。

大切にしていたものを処分するのにためらいはなかったのか聞いてみたところ、「1人暮らしでお客さんなんて来ないし、娘が帰省したら一緒に外食するから、自分用の食器以外は要らない」という点に気付いたので全く気にしなかったとのこと。

現在、古い食器はほぼ無し。
残した食器も「白に紺の絵付けのものだけ」と、テイストを揃えています。

大木奈ハル子

新しい食器の方が今風でおしゃれなので、同じ物を食べるにしても気分が良いそうです。

三田みどり

枚数が少ないのはもちろんだけど、色を揃えることでさらに見た目がシンプルになってスッキリ見えるね!

手が届かない場所にしまい込まない|吊り戸棚は手の届く手前だけを使用

吊り戸棚は高さがあり使いにくく扉で目隠しができることから、「使わないけれど使える物」を詰め込んで、何を入れたか忘れるのにもってこいの、いらないものを溜め込みがちな収納スペースです。

ハルミックスさんの吊り戸棚も、断捨離前はテトリスのごとく贈答品と食品コンテナ(タッパー)、お節料理の重箱などが詰め込まれていて、開ければたちまち雪崩が起こるような状態だったのですが、潔く全部処分。

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一旦全部処分した食品コンテナですが、新しいものを少しだけ買って上段に収納しています。

湿気の多い台所は足元に食品を置くと虫がわいてしまう可能性があり、さらに母は掃除が苦手であることから、手が届く下段に調味料を置くことを提案しました。

調味料の奥には、フライパンを積み重ねていたダイソーの脚付きラックを横置きして、不要な物を詰め込んだり調味料を押し込むことを防止。

上段には滅多に使わない物を収納し、取り出しやすいように取っ手付きの収納ケースを買って整理しています。

冷蔵庫は小さいサイズに買い替え|自分で中身が把握できる量を理解する

長年ファミリーサイズの冷蔵庫を使っていた場合、サイズダウンをためらう方は多いと思います。

買い物に行けなくなる不安もあり、ストックを確保したいから1人暮らしでもファミリーサイズの冷蔵庫を使う。
もちろんそれも間違いではありません。

ハルミックスさんは、冷蔵庫を買い換える際に1人暮らしサイズのミニ冷蔵庫を選びました。

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自炊しているのが伝わる、リアルな70代1人暮らしの冷蔵庫。

たまごに調味料、お惣菜・お肉・野菜など、あれこれ入っていて生活感はアリアリですが、賞味期限切れの物がありません。
ぎっしり詰め込まれていますが、きちんと整理整頓出来ている冷蔵庫です。

サイズが小さいと把握できる量しか入らないので、70代になって記憶力が衰えてきても、奥まで何が入っているかきちんと管理出来ている事が分かるそう。

ついつい増えてしまう調味料なども、冷蔵庫が小さいと入れるスペースが無い為、使い切ってから次の物を買うようになり食品ロスも減りました。

まとめ|70代1人暮らし主婦の豊かなシンプルライフ

娘の私がミニマリストになったことをきっかけに、自分もモノを減らしたいと言い出した母、ハルミックスさん。

最初に断捨離を手伝った際は「これを捨てたら何の楽しみも残らない(食器コレクション)」とか「手放したら同じものを買うお金が無い(高かった外国製の圧力鍋や漆塗りの重箱)」、「誰かが来たら使うから(まだ新しい客用布団やバスタオル)」と言って、多くのモノを捨て渋りました。

しかし、半年後に再び帰省すると、捨て渋っていたモノを綺麗さっぱり自分で断捨離しているではありませんか。

理由をたずねたところ、「ある程度捨てたことで、モノが少なければ暮らしが楽になることに気付いた。こだわりのない物をお気に入りに買い換えることに楽しみを見出したので、捨てることが楽しくなってきた」と教えてくれました。

ミニマリストになってからの母は、私が知っている中で一番豊かな暮らしをしていると思います。

断捨離は台所から始まり、現在は家中に及びます。
今では洋服・布団など自分用の物以外ほぼ手放し、娘である私がびっくりするほどのミニマリストになりました。

大好きなCDコレクションは残して、風通しの良い片付いた部屋でコーヒーを飲みながらフランク・シナトラやはっぴいえんどを聴いているそうです。

大木奈ハル子

モノが減ったら心に余裕ができて、音楽を聴く頻度が激増したそう。

三田みどり

家の中のモノを減らして、減らしたスペースを楽しみで満たしていて、毎日がとても楽しそう。

元々掃除が苦手で汚れた部屋に住んでいたのですが、モノが減ったことで掃除の手間も減った為、掃除機をかける頻度も増え、室内も見違えるほど綺麗に保たれています。

部屋を断捨離する前は「いつ帰ってくる?」という連絡が頻繁に来ていたのに、最近は電話しても「別に無理して帰ってこなくていい」みたいなことを言うので、ちょっとさみしかったりもします。

大木奈ハル子

ハルミックスさん、ありがとうございました!

ほかにもおすすめの台所あります

60代シンプリストのお台所。

古びた団地のキッチンを夫婦でDIYして、大変身。
工夫がぎっしりつまった台所です。

2021年7月30日記事リライト

※当記事の「断捨離」は、一般的な「捨てる」「大掃除する」という意味合いで使用しています。

all photo by 大木奈ハル子

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