築50年超、6畳1Kに夫婦と介助犬│センス爆発!キッチュでキュートなお台所

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狭小住宅のコンパクトなキッチン
  • 大木奈ハル子(50代/ライター・コラムニスト)
  • 築50年以上の分譲マンション(1K・25㎡)/夫婦と犬(介助犬)
  • イケアのミニキッチン(SUNNERSTA)/壁付けI型(約112cm幅)  

※2026年10月時点の情報です

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小さく暮らす=シンデレラフィットの旅

マーガリン缶が並ぶラック

十人十色な住人さんの生きかたや趣味趣向を、家庭でいちばん生活感が出るであろうキッチンからノゾキミさせてもらおう。そんな好奇心からはじまった「台所拝見」。

今回ご紹介するのは、長年の友人である大木奈ハル子のお台所です。

当サイトは、彼女が「なんか面白いことしよ!」と誘ってくれたことをきっかけに、ふたりで立ち上げました。あれこれキャッキャウフフ言いながら、一緒に作業していた頃が懐かしい。
その後、ハル子は運営から離れましたが、いまでも良き相談相手であり、尊敬する友であることに変わりはありません。


ハル子は、39歳のときに夫(以下だんない)と結婚。だんないが所有する85平米のマンションで新婚生活をスタートさせます。
その後なんやかんやあり(詳しくは彼女の著書をチェック)、50平米、30平米と、住まいはどんどんコンパクトに。50歳になったいまは、25平米・6畳1Kの単身者向けマンションで、だんない・介助犬と一緒に暮らしています。

大木奈ハル子

狭いながらも楽しいわが家!

ハル子は、2番目の住まいからDIYで家づくりをおこなってきました。いまの住まいも、

築50年以上のマンションの1K室内
ビフォー
大木奈ハル子さんの家
アフター!!

ってなもんで、こんなにも自由な空間に。もちろんキッチンもハル子らしさ全開です。

なにを置くかより、なにを置かないか

IKEAのミニキッチンが設置されたようす

──キッチンのテーマは?
ハル子:コンパクトにおさめつつ、料理はちゃんとできるように。廊下とか含めて3畳くらいの空間やから、とにかく狭いねん。だから「なにを置くか」より「なにを置かないか」を第一に考えた。家電なら炊飯器、トースター、電気ケトル。そのほかなら、洗い桶や三角コーナー、水切りラックとか。「置かないもの」を少しでも増やすことで、ようやくキッチンが成り立ってる感じ。
あと、これは家全体に言えることやけど、なにもかもテトリス状態やねん。家具も収納用品も、サイズぴったりに収まるものを探す「シンデレラフィットの旅」みたいなもんよ。

──水まわりもコンパクト。ポイントは?
ハル子:日本のミニキッチンって高さが80センチくらいのものが多いんやけど、これは92センチあるねん。背が高くて腰痛持ちの私にはぴったり。

IKEAのミニキッチン「SUNNERSTA(スンネルスタ)」
IKEAのミニキッチン(SUNNERSTA/スンネルスタ)
下にはメタルラックを入れて

(続)下のスペースを自由に使えるのも重要やった。日本のミニキッチンって、冷蔵庫を置く場所が決まってたりするやん?「そこを使わんかったら何に使うねん」みたいな、あのスペース。これ(スンネルスタ)なら好きなようにアレンジできるし、構造がシンプルだから安い。一石二鳥。

──まえのキッチンから買い変えたものはある?
ハル子:大きいもので言うと冷蔵庫。まえのやつはかわいくて気に入ってたんやけど、収納量が足らなさ過ぎて。吊り戸棚の下に納まる、なるべく大きいサイズのものを価格.comで探した。価格.comってサイズを細かく指定して検索できるのがいいねん。

DIYでタイルを貼ったキッチン
まえの住まいのキッチン
吊り戸棚の黒板シートは、いまのキッチンにも付ける予定

(続)吊り戸棚と言えば、やねんけど。無いほうが見た目はスッキリするってことで、最近は取り付けない人も多いやん?でも私、吊り戸棚ってめっちゃアツいと思ってる。収納家具としては破格の価格なのに、強度もしっかりあって収納量も申し分ない。最高やわ~。

HAYのインディアンキッチンラックが設置されたようす
HAYのインディアンキッチンラック

──この食器ラックかわいいよね。使い勝手は?
ハル子:ありがとう!SNSとかで「いいな~」と思うキッチンに置いてることが多くて、ずっと憧れててん。本来は壁掛け用やけど、うちの壁(石膏ボード)だと強度が足りず落ちるから「ラックの上にラックを置く」という荒業で解決させた。
サイズのわりに収納量は少ないし、安くもなければ使いやすくもない。わが家で唯一の無駄スペースやけど、とにかくかわいいから全部許せる。

三つ子の魂百まで。大木奈ハル子の「好き」をたどる

2016年、いまからちょうど10年前。私がはじめてハル子の家に遊びに行ったのは、彼女が結婚後、2番目に住んでいた家でした。

部屋に入ったときの衝撃たるや、もう。

ウィリアム・モリスの壁紙を取り入れたキッチン
当時のキッチン
大木奈ハル子

DIYでアラ目立つから、あんまりじっくり見んといて~(照)

三田みどり

(DIY……!?)

それまでのハル子に対する印象は、「音楽について異様に詳しい、底抜けに明るい姉さん」でした。は~~~! ところがどっこい!なんと彼女は「とんでもないセンスを持った姉さん」でもあったのです。目の前に広がる空間は、雑誌やTVで見てきたどんな部屋よりもバツグンに洒落てて、どこまでも自由。深夜のカラオケでガンズの「Welcome to the Jungle」を高らかに歌い上げていた姉さんが、こんなにもステキな部屋を作り上げたなんて。

このセンスはどこから来るんだろう。


10年前に抱いた疑問の答えを探るべく、ハル子の「好き」について聞いてみました。

押入れをヌックに改造したようす
押入れを改造したヌック
秘密基地のようなワクワク感がある

──ハルちゃんの「好き」について知りたいな。
ハル子:小さいころから、秘密基地とか外国の子ども部屋とか、そういう世界観が好きやってん。それがいまのいままで続いてる。「三つ子の魂百まで」とはよう言ったもんよ。大学生になってからはインテリア雑誌をよく見てたけど、部屋そのものというよりCD棚を見るのが好きで。「こういう音楽が好きなんや」ってとこから、持ち主のことを想像するのが楽しかった感じ。
『シェルブールの雨傘』っていう映画も大好きやった。ストーリーが面白いのはもちろんやけど、いま考えると「インテリアを見るための映画」という位置付けやったと思う。「素敵な部屋やなあ」って思いながら見てたもん。

(続)部屋と言えば、『TOKYO STYLE』も穴があくほど見てたなあ。東京で暮らす人たちの、モノがぎっしり詰まった生活感あふれる部屋を撮影した写真集やねん。ギターがあって、CDやレコードがあって、鴨居にズラーっと服が掛かって、冷蔵庫にはステッカーが貼ってあって……。そりゃもうごちゃごちゃしてるけど、すごく魅力的。リアルなひとり暮らしをのぞき見してるみたいで楽しかった。

──部屋をアレコレするのも昔から好きだった?
ハル子:そうやね。実家ではできることが限られてたけど、おもちゃとかポスターとかCDとか飾って自分なりに楽しんでたよ。ひとり暮らしを始めてからは、もっと「好き」を詰め込んでいった。いまみたいに「おしゃれですね」って言われるような部屋じゃなかったけど、『TOKYO STYLE』のようなワクワク感はあったと思う。引っ越すたびに、ブラッシュアップというか、モノが厳選されていった感じかな。

レトロな缶を収納に使っているようす

──ひとり暮らしのときも何回か引っ越してるよね。
ハル子:元々ひとり暮らしがしたかったわけじゃなくて、当時から変わった物件が好きやったからやねん。『小枝不動産(注:クセつよな家を紹介する関西ローカルのTVコーナー)』見て選んだ物件もあるくらいやし。決め手は、私の心をくすぐるおもしろポイントがあるかどうか。部屋の役目の8割は、大量のCDを置くことやったから。
そもそも私、バストイレ別とか、内装や外観のきれいさとか、収納スペースが無いとか、まったく気にしない。んで、そういう物件って、だいたい安いのよ。願ったり叶ったりやわ。

お気に入りアイテム教えてください

少し視点を変えて。
愛用アイテムから垣間見える、リアルなキッチンライフをノゾキミさせてもらいます。

カインズの軽量フライパン(22cm)

カインズの軽量フライパン

ハル子:とにかく軽くて使いやすい。まえの住まいでは24cm、いまは22cmを2つ愛用してる。横幅ギッチギチのキッチンには、この2cmの差が大きいのよ……。
炒め物や煮物はもちろん、お味噌汁を作ったり、ご飯を炊いたり、ほとんどの料理をこのフライパンで作ってる。

シャオミのエアフライヤー

シャオミのエアフライヤー
ばっちりシンデレラフィット

ハル子:購入のきっかけは、お友だちのTSUNさん(uchilog/ウチログ)と奈緒さん(削ぎ家事研究室)。エアフライヤーの素晴らしさを、ことあるごとにふたりが力説してくれてたこともあって、引越しを機に満を持して購入した。
いろんなメニューを作れるけど、うちではおもに冷凍のコロッケやパンを温めるときに使ってる。冷凍パンなんて、そりゃもうサックサクやで、サックサク。

ヒグチユウコのPUTITTO

ヒグチユウコのガチャガチャ「ニャンコ」

ハル子:ガチャガチャでGETしたやつ。冷蔵庫のサイドポケットにかけて、開けるたびに癒されてる。キッチンに必要かと言われると、そうでもない。なくても困らないけど、あるとちょっと嬉しい。
じつはわが家にも、そんなものがいくつかあるのです。

分かっちゃいたけど、やっぱり狭い!
それでも、工夫しながら暮らしていく

狭小住宅のキッチンから玄関までのようす

──引っ越して1年以上経ったけど、この家での生活には慣れた?
ハル子:慣れたけど、やっぱり狭いわ!(笑)たまに勘違いされるけど、狭い家に住みたかったわけではないねん。だんないのかかりつけ病院と最寄り駅に近いことを条件にしたら、まえより狭くなったってだけ。 本音を言えば、もうすこし広い家がよかった。

──本音ついでに、キッチンで困ってることは?
ハル子:2口のガスコンロを置いてるんやけど、すぐ上に給湯器があるから1口しか使われへん。

IKEAのミニキッチンのシンク部分
_人人人人人人人_
> ほんまや! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

──IHにするとかは?
ハル子:電気容量が少ないから、電子レンジとかと一緒に使ったらブレーカー落ちてまうねん。アンペア上げる工事したかったけど、マンション側の問題でできんかったのよ……。工夫しながら暮らすしかないね。

──不便なところも含めて楽しんでるよね。
ハル子:そうそう。それに、狭いとか古いとか関係なく、生活してると日々アレコレ変わっていくものやん?なんか問題が出てきたら、できる範囲で解決したらいいと思ってる。これからも「いまの自分たちにとって無理のない住まい」に、楽しみながら手を入れていくつもり。


「好きだったもの」と「好きなもの」。
いくつものマイブームの波を越えて、いまでも変わらず「好き」と言えるものって、案外少なくないですか?私の場合は鳥類。4歳くらいからずーっと好きです。なんでこんなに好きなのか、自分でもよく分かりません。
一方で、インテリアの好みは流行り廃りもあり、そのときどきで惹かれるものが異なりました。

その点ハル子は、「好き」の軸が変わらないだけでなく、その「好き」を自分の部屋に落とし込み、暮らしのなかで表現し続けている。すごい。かっこいい。センスの塊のような女性だ。

そんなハル子がこのたび、本を出しました!イエ~~~イ!!小さく暮らす豊かさと、そこにたどり着くまでのアレコレ(めちゃくちゃ濃い)がギュッと詰まった一冊です。彼女の暮らしやセンスのヒミツをもっと知りたくなった方は、ぜひこちらも読んでみてください。

ABOUT:大木奈ハル子

50代の主婦でライター。「ちいさ暮らしナビゲーター」、「チェーン店モーニング愛好家」として活動。東京都中央区の狭くて古いボロマンション在住のミニマリストで、夫と介助犬こうちゃんと同居中。趣味はチェーン店の朝メニュー食べ歩き、特技は節約とDIY。著書に『小さく暮らす─25m²のゆたかな生活─』(新潮社)、『台所図鑑』(共著・大和書房)。テレビ出演は『マツコの知らない世界』『THE TIME,』(ともにTBS系)、『あさイチ』(NHK)、『朝メシまで。』(テレビ朝日系)など。

all photo by 大木奈ハル子

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